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杭打ち式牡蠣養殖
野呂川河口から三津口湾に広がる浅瀬に立つカキ養殖の杭(くい)。昔ながらの養殖方法ですが,生産効率の良い筏(いかだ)式が主流になった現在では全国的にも珍しく,養殖カキ日本一を誇る広島県でも今では安浦だけに残る手法となりました。
では,なぜ安浦では今でも杭打ち式養殖を続けているのでしょうか。
それは,天然モノに近い美味しいカキが育つからです。
その美味しさの秘密は,野呂山の肥沃な土に含まれる豊富なミネラルを,野呂川の清流が三津口湾へ運んでくることによって生まれる海と川の境目の絶好の環境の中で,潮の干満を利用して太陽と空気にさらすことで,身が引き締まり,なおかつ,カキが自分の身を守ろうと栄養を身体に取り込んで逃がさないように育つためと考えられています。
これは,天然の岩カキが育つ時の環境に近く,それ故,杭打ち式のカキは天然物に味が近いと言われます。
浅瀬で育てるため,手間をかける割に収穫量が限られており,値段も筏式と殆ど変わらないので,杭打ち式を続ける養殖業者は多くありませんが,安浦のカキの美味しさをもっと知ってもらい,全国に広げていきたいとの情熱から,この手法を続けているそうです。
是非,全国に安浦カキブランドの名を轟かせて欲しいものです。